<ONE PIECE>ヒットの理由は悪魔の実?の分析記事が、ひどい件


 超造形魂 劇場版ONE PIECE FILM Z (決戦用戦闘服) (BOX) 「まんたんウェブ」が掲載した1万人アンケートで産業能率大が分析した記事について。

1万人規模で調査を行うことは良いと思うし、それぞれのキャラクターの人気度合いも測れるだろう。ただ、記事の中に現れている結果や分析だけで、下記の結論が出るのは非常に違和感があるのは筆者だけではあるまい。

    小野田准教授は、「ワンピース」のヒットの理由について、「悪魔の実が相乗効果となって、キャラクターの魅力を高めている。また、『ドラえもん』の『ひみつ道具』のように、物語とは別に、次はどんな悪魔の実が出てくるのだろう?と尽きない興味がそそられる。さらに、先天的な能力と生い立ちや性格や悪魔の実が掛け合わせることによって、バラエティー豊富な世界観が描かれてリアリティーとなっている」と分析。


悪魔の実が重要なアイテムだと言うことは認めるとしても、『ONE PIECE』の中で、ここまで悪魔の実がポイントとなってはいないことは、『ONE PIECE』を一度でも見れば明らか。

ユーザーのYahoo!ニュースに寄せられたコメントが、その代表的な考察だ。

    「悪魔の実は単なるキャラ付けであって本当に面白いとされてるのは熱い心理描写や壮大でしっかりとした世界観なのでは…」

また、記事を見る限り、基本的には「好きなキャラクター」と「食べたい悪魔の実」しか、聞いていないように見える。

    「キャラクター」と「悪魔の実」のそれぞれの人気度は単純に比例するのかを分析する「ポートフォリオ分析」では(中略)、野田准教授は、「『人気キャラクター』であり、かつ『悪魔の実』でも人気を集めた唯一のものは、ルフィ(ゴムゴムの実)だった」と紹介。

これから一気に先ほどの結論に行くのだが、どう考えても無理がある。主要かつ人気キャラクターで悪魔の実の能力者ではないゾロ、サンジ、フランキーなどもいる。彼らの生い立ちや性格も十分『ONE PIECE』の魅力を引き立てており、

    「悪魔の実が相乗効果となって、キャラクターの魅力を高めている」

とは言えない。

また、小野田准教授は、ドラえもんのひみつのポッケと道具を例としてあげているが、まあ、ドラえもんのひみつ道具は日本人の常識として定着しているとして、普通に『ONE PIECE』を見たことがある人であれば、悪魔の実とそれが同種の効果を発揮していると考えるとは思えない。

    「次はどんな悪魔の実が出てくるのだろう?」

を、『ONE PIECE』を見るときにポイントにしている人は残念ながらごく少数だろう。

    「先天的な能力と生い立ちや性格や悪魔の実が掛け合わせることによって、バラエティー豊富な世界観が描かれてリアリティーとなっている」

悪魔の実が補助的にキャラクターの魅力を高めているという前半部分と、バラエティー豊富な世界観はまあ同意できるとして、『ONE PIECE』をリアリティーがあると考える日本人はいない。バラエティーとリアリティーを無理やり掛け合わせて言葉遊びしているだけのように思える。

先も言ったように、『ONE PIECE』の人気に迫るための1万人規模のアンケート調査という手法は非常に良いと思うし、設問及び分析次第では意義がある。ただ、記事の書き方が悪いのか、今回の調査では、「好きなキャラクター」「食べたい悪魔の実」が設問の中心なのだろうか。あまり意味があるとは思えないし、『ONE PIECE』の人気に迫るためには浅すぎる。

本稿は、本記事や分析に批判したくて批判しているのではない。確かにポップカルチャー専門メディアであるはずの「まんたんウェブ」が掲載しようと決断できる記事内容ではないと思うが(そもそも記事書いている時に、内容が少しおかしい、と気づかなかったのだろうか)、そうではなく、海外に少し目を向ければ、『ONE PIECE』が他の日本のアニメと同じく、いやそれ以上に日本を高く評価する上での極めて重要なコンテンツになっていることが分かる。

だからこそ、日本において、その人気の要因を明らかにしていくことも重要なのだが、また同時に、海外でなぜ評価されているのか、それが日本そのものの評価につながり、日本の評価を高めているのにどこまで役立っているのか、日本として、この貴重なコンテンツをどのように有効利用すれば、ビジネス面はもちろん、日本の世界に対する位置付けを有効的に強化、向上できるのか、その施策とは? などにまで踏み込む、というのも重要だし、可能であれば今後取り組みたい研究テーマだ。(World Eyes編集S/Y)

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